🌿職場あるある:「声の大きい人の意見」がすべてじゃない

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どの職場にも、ひときわハキハキと意見を述べる人がいます。
経験もあり、発言にも自信がありそうで、その場の空気を一気に持っていくことができる。
そんな人の提案が、そのまま業務改善に採用されていく光景は、医療・介護現場だけでなく、教育・IT・製造・サービスなど、さまざまな業種でも見かける「職場あるある」です。

一見、「現場の声が即座に反映された」ように見えますが、少し待ってください。
その意見が本当に「現場全体の声」だったのでしょうか?
また、他に改善の余地がないか慎重に検討された結果だったのでしょうか?


🌀 スピード感 vs 慎重さ:どちらが正しい?

業務改善の提案に対して、すぐに行動へ移すことは、たしかにリーダーシップの表れかもしれません。
スピーディーな対応は、現場のモチベーションを高め、変化に前向きな姿勢を示すきっかけにもなります。

急を要する場面では、まず一時的な対処として「今できることを決める」判断も必要です。
けれど、そこにとどまっていては、リーダーとは言えません。

一時的な判断のあとでこそ、冷静に全体を見渡し、現場にどんな影響が出たのかを振り返り、次にどう進むかを再検討する——
それもまた、もう一段階先のリーダーシップなのです。


🔍「声の小さい意見」の中にこそ、気づきがある

  • 「今のままでも工夫次第で回せるかも」
  • 「現場の流れを見直す方が効果的かもしれない」
  • 「他の人の意見も聞いてからでも遅くない」

こうした意見は、派手ではありません。
でも、それだけに冷静で、全体を見ようとする視点が含まれていることが多いのです。


🧭 リーダーに求められていること

変化を起こすのがリーダーの仕事。
でも、「誰の声で変化するのか」は、もっと大事な視点です。

リーダーに求められること:

  • 意見のバランスを取るファシリテーターであること
  • “声の大きさ”ではなく“影響の広さ”に着目すること
  • 慎重な意見や沈黙の背景にも耳を澄ませること
  • 変化を急がず、納得と理解を伴わせること

リーダーとは、一部の意見で即座に態度を決める存在ではなく、
全体を冷静に見て、必要に応じて修正する柔軟性と、事実を見極める客観性が求められる存在です。


🌼 最後に

「一部の意見に流されず、全体を見る」
その姿勢は、声の大きさでは測れない“静かなリーダーシップ”です。

本当のリーダーシップとは、一度の判断で終わるものではなく、「判断のその先」まで責任を持つこと。
即決と再検討、その両方を使い分けられる人に、周囲は安心してついていくのです。