“話すだけで心が軽くなる”のはなぜ?心理学で解説

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〜心理学と脳科学から読み解く、ことばのチカラ〜

「誰かに話したら、少しスッキリした」
「モヤモヤが整理された気がする」
そんな経験はありませんか?

人は、話すだけで気持ちが軽くなることがあります。
それには、ちゃんとした心理的・脳科学的な理由があるのです。

■ 言葉にするだけで、脳の中で何が起きているの?

私たちが不安やストレスを抱えているとき、
脳の中では「扁桃体(へんとうたい)」という部分が活発になり、
体は“危険モード”に入ってしまいます。

でも、その感情を「言葉」にして誰かに伝えるだけで、
脳の「前頭前野」という部分が働き出し、
扁桃体の暴走を穏やかに鎮める作用があるとわかっています。

▶︎ つまり、言葉にするだけで“感情の整理”が始まるということ。

■ 心の中だけで考えていると、グルグルしてしまう理由

心の中で考えていると、「どうせダメ」「あのときも…」と、
ネガティブな思考がぐるぐると同じ場所を回ってしまいがちです。

ですが、言葉に出す=外に出すことで、
「これが本当に悩みだったんだ」と客観視することができ、
“自分と悩みの間に距離”を取れるようになります。

■ 話すことが持つ、心理的メリット

✅ 1. 感情を“整理”できる
話すことで、自分の気持ちが明確になり、混乱が減ります。

✅ 2. 誰かに受け止めてもらえる
ただ「うん、そうなんだね」と聴いてもらえるだけでも、安心感が生まれます。

✅ 3. 一人では気づかなかった視点が得られる
話しているうちに、「あ、私こう思ってたんだ」と気づく瞬間があるのも特徴です。

■ カウンセリングで“話す”ということ

カウンセリングでは、正解やアドバイスを押しつけることはありません。
ただ、「安心できる場所」で、「あなたの話に耳を傾ける人」がいる。

それだけで、心の奥に押し込めていた気持ちが、そっと顔を出すことがあります。

「なんとなくつらい」でも、「まとまっていなくても」、大丈夫です。
そのまま話すことに、ちゃんと意味があります。

■ あなたの言葉に、価値があります

「うまく話せないかも」
「こんなことで相談していいのかな」

そう感じる方ほど、誰にも見せてこなかった“本当の想い”を抱えていることが多いです。

話すことで、自分を知り、ラクになる。
それは、あなた自身を大切にする一歩でもあるのです。