言葉にするだけで脳が安心する仕組み

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〜“話すこと”には、科学的な理由がある〜

「誰かに話したら、ちょっとラクになった」
「頭の中が整理された気がする」
「泣きながらでも話せたら、少し落ち着いた」

そんな経験はありませんか?

実はそれ、脳の仕組みによって“安心”が生まれていることがわかっています。
今日はそのしくみを、やさしく脳科学の視点からお伝えします🧠✨

■ 感情が暴れているとき、脳では何が起きてる?

私たちが不安・怒り・悲しみなどでいっぱいになるとき、
脳の「扁桃体(へんとうたい)」という場所が活発になります。

扁桃体は、“危険”や“不快”をキャッチして体に警戒信号を送る司令塔。
つまり、ここが興奮していると、心も身体も緊張モードになってしまうのです。

■ 「言葉にする」だけで、安心のスイッチが入る

この状態にブレーキをかけてくれるのが「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という脳の領域。
前頭前野は、「思考」や「理性」「判断」などをつかさどっています。

そしてこの前頭前野が活性化するのが、
まさに「言葉にするとき」なんです。

🧠 つまり…

言葉にする(ラベリング)ことで、扁桃体が落ち着き、前頭前野が働きはじめる

これが、“話すとラクになる”という体験の科学的な理由です✨

■ さらに…話すと「オキシトシン」が出る?

誰かに話を「受け止めてもらう」体験をすると、
脳内ではオキシトシン(愛情ホルモン)が分泌されるとも言われています。

・安心感
・癒し
・つながりを感じる

こうした状態は、不安や緊張を和らげるホルモンの力も後押ししてくれているのです。

■ 言葉にすることのメリットまとめ

✅ 感情の正体が見えてくる(可視化)
✅ 脳の混乱状態が落ち着いてくる
✅ 客観的な視点が持てる
✅ 身体の緊張もほぐれてくる
✅ 安心・つながりのホルモンが分泌される

■ 話すことは、特別なスキルじゃなくていい

「うまく話せない」
「何を言いたいのか自分でもわからない」
そんなときでも、大丈夫です。

言葉にならないままでもいい。
とぎれとぎれでも、涙まじりでも、
「外に出す」ことに意味があるのです。

■ 一人で抱えないでいい

脳は、ちゃんとあなたを守ろうとして働いてくれています。
でも、それが時に苦しさを生むこともあります。

だからこそ、「話すこと」が助けになります。
心の中でグルグルしているだけでは見えなかったものが、
言葉にした瞬間、少しずつ整理され、軽くなっていくのです。