――しんどい毎日を細かく区切って乗り切る考え方
“ 悩みの人 ” デール・カーネギー(Dale Carnegie)の
著書【道は開ける】の第1章に、
とても印象的な言葉があります。
「今日、一日の区切りで生きよ」
過去を悔やみすぎず、
まだ来ていない未来を心配しすぎず、
今日という一日だけに集中して生きなさい
――そんな意味の言葉です。
この言葉は、とても前向きで、正しい。
でも私は、仕事がつらいとき、この言葉を
少し違う形で使っています。
仕事は「1日」ではなく「カウントダウン」になっていく
仕事は、たいてい週5日あります。
月曜日から金曜日まで。
私は、気づかないうちに
こんなふうに考えていました。
- 月曜:あと5日
- 火曜:あと4日
- 水曜:まだ半分
- 木曜:まだ1日ある
- 金曜:やっと終わる
問題は、
1日働いただけで、頭も身体もぐったりしてしまうことです。
「今日でこんなに疲れているのに、
あと4日も、この状態が続くなんて無理だ」
仕事がストレスフルな状況であればあるほど、
この“カウントダウン思考”は
どんどん長く、重く、苦しくなっていきます。
「今日一日を生きる」は、前向きじゃなくてもいい
そんなとき、私は
【今日、一日の区切りで生きよ】
という言葉を思い出します。
でもそれは、
「今日も頑張ろう」
「前向きに乗り越えよう」
という使い方ではありません。
私の場合は、もっと切実で、現実的です。
「とにかく、今日1日をやり過ごそう」
もっとつらいときは、さらに細かく区切る
仕事が本当につらいとき、
「今日1日」すら長く感じます。
そんなときは、
私はさらに細かく区切ります。
- まず、半日
- 次に、1時間
- それでも無理なら、30分
- もっときついときは、10分
心の中で、こう言います。
「まずは、あと10分だけ」
「10分過ぎたら、また考えよう」
それだけです。
「ちゃんと生きる」じゃなくて「生きていればいい」
この考え方の根底にあるのは、
とてもシンプルな気持ちです。
「なんとか生きて、時間が過ぎればいい」
立派じゃなくていい。
前向きじゃなくていい。
効率的じゃなくていい。
生きて、時間が過ぎる。
それだけで十分な日もある。
HSPの人ほど、仕事が「つらく」感じやすいこともある
仕事がつらく感じやすい背景には、
**HSP(とても感受性が高い気質)**が関係している場合もあります。
音や空気、人の感情に敏感な人ほど、
「普通に働いているだけ」で
知らないうちに消耗してしまうことがあります。
(※ 自分に当てはまる部分だけ、参考にしてください)
この考えを、泣いていた同僚に伝えたとき
以前、
仕事がつらくて泣いてしまった同僚がいました。
私は、うまく励ます言葉を持っていませんでした。
でも、自分がやっているこの考え方を
そのまま伝えました。
「今日1日を乗り切ろう、じゃなくていいんだよ」
「まずは、今日の午前中だけでいい」
「それも無理なら、1時間でいい」
完璧に理解してもらえたわけではありません。
でも、その方の表情が、
ほんの少しやわらいだように見えました。
そのとき、こう思いました。
この考え方は、
私だけのものじゃないかもしれない。
仕事がつらくなる理由は「境界線」にもある
仕事がつらくなる原因の多くは、
自分と仕事、自分と他人の境界線が曖昧になることにもあります。
- どこまでが自分の責任なのか
- どこからが環境や他人の問題なのか
それを整理するだけで、
心の負担が大きく減ることがあります。
これは「逃げ」ではなく「生き延びる知恵」
「そんな考え方は甘えでは?」
「もっと前向きに考えたほうがいいのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。
でも私は、こう思っています。
これは逃げではなく、
**心を壊さないための“生き延びる工夫”**だと。
人は限界を超えると、
「頑張れなくなる」のではなく、
**「頑張れと言われること自体が苦しくなる」**のです。
今日一日を、もっと小さくしていい
【今日、一日の区切りで生きよ】という言葉は、
「今日を大切に生きなさい」
という意味だけでなく、
「今日以上を、無理に背負わなくていい」
というメッセージでもあるのではないかと、
私は思っています。
そして、
今日一日が重すぎるなら、
- 今日半日
- 今日1時間
- 今日10分
それくらい小さくしてもいい。
おわりに:今日を「全部」生きなくていい
もし今、
仕事がつらくて、
先のことを考えるだけで
息が苦しくなるなら。
どうか、こう考えてみてください。
「今日は、10分でいい」
10分を生きて、
また次の10分を生きる。
それを繰り返して、
今日が終われば、それでいい。
それも、立派な生き方です。
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